Snowflakes

お茶会日記

ひとひらの雪は手にのると、水になって消えてしまう。はかないけれどその美しさは格別です。
ささやかに燃え尽きるようないのちの灯火、そんな大切なお茶の時間を過ごしていきたいと思っています。
The snow on the palm disappears immediately after becoming water.Although it is ephemeral, its beauty is amazing.
I hope to spend hours of such precious Chanoyu, as a light of life as burned out in modest way.

北鎌倉: 雪介 宗雪 あったか雪見茶会 #1

雪です。都内平野部でも5センチの積雪が予想されるとのこと。

平成最大の寒波が平成最後の年にやってくるという、今生天皇、もってる感じ満載の2月。
 
北鎌倉、宝庵もこんな感じ。
 
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美しい!
 
ということで10月に行った「南窓 宗雪 ジャングル月見茶会」のブログも書き終わらないうちに、次の茶会がやってきてしまいました(>﹏<)
 
今回は、前回の茶会があまりに大変過ぎて、「順番にお席に入りましょう」と約束していたスタッフの皆さまが全く茶席に入れなかったことへのリベンジ、いえ慰労のための一席だけのミニお茶事です。
 
題して「雪介 宗雪 あったか雪見茶会」
 
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デザインは、旧ニフティでデザイン周りの統括をやっていた瀬津勇人さんです。早くてうまくて最高。
 
当日の1月27日は雪にこそならなかったものの寒波に見舞われ、寒いけど日本晴れの好日でした。
 
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浄智寺への参道脇にあるお家の満開の蝋梅の香りに迎えられ、気分は上々。
 
待合には雪介さんが自宅から運んで来た火鉢。富山高岡製の銅器とのこと。
 
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今回は雪の白、炭の黒、火の赤がテーマです。
お迎えする煙草盆は、赤と黒の漆塗りの盆に江戸中期の染付蕎麦猪口、灰吹きはポートランドでミニ茶会をやったお庭で拾った竹です。この姿のまま、私を待ってたみたいに地面に落ちてました。
植物は検疫でダメな気がしますが、松ぼっくりなんかもシチリアから拾って来ました。シンデレラのお父さんが還らぬ旅に出た時のお土産がハシバミの枝だったことがとても印象的で、旅に出たら押し花とか出会った植物を何かしら自分へのお土産にしています。
 
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床は海野貴彦さんの「無限大」のペインティングに、宝庵メンバーの島田先生にいただいた水仙
 
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海野貴彦さんは東京出身ながら松山に移住して拠点として活動されてるアーティストです。同じパーツを緻密に組合せて「∞」を二次元ながら立体的に表現しているのがとっても宇宙的で私の中では勝手に「2001年宇宙の旅」のモノリスのイメージがあるので、新年に良いかなー と思いました。
ご本人は「グラマラス」とおっしゃっていた。グラマラスな一年になりますように!
 
そしてこの四畳半で、再び南窓さんに焙じ茶を出していただきました。
 
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本当は汲み出しの湯のみを借用するだけと思っていたのですが、「裏で入れるのなら一煎差し上げても。。」というご厚意に甘えてしまいました。
水屋で片手鍋を無理やりホウロク代わりに焙煎してもらい、お席でのお迎えもお任せ。(5客のうちのお一人だったのですが。。)
お道具も素敵だったので、後でアップします。本当にありがとう。
 
そして八畳間に移動していよいよお炭!
です。
 
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今回のメインテーマ「炭点前」は、江戸千家の雪介さんこと中川創介さんです。
 
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江戸千家は、裏千家とは炭の組み方も違い、枝炭の扱いも違うそうです。
まず、割ギッチョが2つ必要ということを知らず、慌てて夢想庵利用のものを流用しました。釜敷きも紙じゃないの??
私はこの間、水屋で点心の準備をしていたので江戸千家炭点前を見られずとても残念でした。
 
そしてお香はなんとエチオピアの乳香!
 
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江戸千家の秘儀。。。ということではなく、先日エチオピアのコーヒーセレモニーを宝庵で受ける機会があり、その際にいただいた乳香を焚いてみたとのことでした。
 
モクモクしてすごかったらしい。
 
そして乳香って「フランキンセンス」だったのですね!
ニールズヤードでいちばん高価なエッセンスがフランキンセンス(という俗な認識)。蒸留した精油と樹液の乳香とは違うものでしょうが、今回のものは「グリーンの爽やかな香りがした」「異界の入口みたいでワクワクした」との感想をいただきました。リラクゼーションや瞑想にも効果あるみたいで、良かったです。
 
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桃の香合は私の大学時代からの友人のお母様の形見。
表千家ということで流派は違ったのですが、ある晴れた日に主のいなくなった千葉のご実家へ友人と一緒に出かけ、たくさんのお道具の中からいくつか選ばせていただきました。
ようやく陽の目を見ることができて、なんだかホッとしました。
 
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ということで、ドタバタの中で兎にも角にもお炭まで無事に終わり、これからお椀と点心、そしていよいよ夢想庵でのお濃茶です。
 
続きは後編へ!