北鎌倉:久慶 宗雪 北鎌倉 野遊び茶会 #1
今日は平成最後の日!
みなさま10連休どうお過ごしでしょう?
GW最初の日、北鎌倉の浄智寺山道横を上がった突き当たりの手前「宝庵」にて、平成最後のお茶会を開かせていただきました。
いざ、鎌倉へ!
晩春から初夏へ、平成から新元号へ。
散る花、萌える野山、ゆく春を惜しみながら
鎌倉仏師29世孫、後藤久慶さんの
新作茶箱をお披露目します。
夏の初めの野で遊びましょ。後藤久慶 黒田宗雪 雪片会
プランツ監修:松原尚世
冒頭は一か月ほど前、このお茶会の準備でツクシを摘むために北鎌倉の「台峰」を訪れた際に撮った写真。
台峰緑地保存会の方々がヤブを切り開いてくださったおかげで、子供たちが遊べる広場ができています。子供たちはここを「見晴らし」と呼んでいるそうです。
四月の終わりから五月にかけて山桜が咲き、見晴らしから眺める山々は様々な新緑と薄いピンクに彩られる、その一年でいちばん美しい季節に北鎌倉で野遊びを。。
という趣旨の茶会でしたが、マサカの大雨!
設えた野点席を断念せざるをえない状況でしたが、常安軒の八畳間に席を移し、それはそれで春から夏へ、平成から令和へ、という新しい季節を開く茶会になったかと思います。
大変な雨の中、お運びくださったみなさま、本当にありがとうございます!
軸は奈良大徳寺松源院の泉田宗健さま。2012年に大徳寺第五百三十世住持となられました。私の先生が茶室を啓いた際、同じ立花大亀御老師につかれた縁でいただいた、大事な大事な軸をお借りしたもの。
炉から風炉へと移り変わる茶席には「関」の文字が掛けられるのが一般的ですが、こちらは「開」ひらく、の文字となります。
お花は、各お席にすばらしいお花を生けてくださったなな艸松原尚代さんによる、宝庵の周りに咲いている「時のもの」。イヌビワ、ドウダンツツジ、カキドオシ、ヒメウツギ、シモツケ、ゴールドフレーム、カンゾウ、シダ、紫陽花。
花入は今回の主役、鎌倉彫の茶箱を制作くださった後藤久慶さんの手による竹の花器。漆がかけてあります。オトシは後藤さんの「もも福」ユニットでの制作。
香合はタイのマンゴスチン。草花つながり。これだけが私の私物 笑
外は大雨でも、茶席では晩春から初夏へと移り変わる野に遊ぶ心地で。。
そしてこの席で初披露させていただいたのが、鎌倉彫による「流水」の茶箱一式です。
秋田の森吉山やオーストラリアのタスマニア、アメリカのポートランドなどに茶箱を連れて行き、小さなお茶会を開いているうちに、自分の納得いく茶箱といっしょに旅したいと思うようになりました。
母が持っていた二つの茶箱はひとつは蒔絵、ひとつは鎌倉彫でした。
蒔絵はきれいですが、お点前の時に棗や茶筅を置くのにあまり向いていないのではないか、そしてバックパッカーのようにリュックの中に入れて持ち歩くには華奢すぎる。
(実際タスマニアからの帰路で蓋が割れて悲しい思いをしました。。)
母の鎌倉彫の茶箱は松竹梅の意匠の「いかにもお土産風」で、普段使いには良いですが、せっかくなら自分好みの茶箱が欲しいと、以前からご家族ぐるみで親しくさせていただいていた鎌倉仏師二十九世孫、後藤久慶さんにご相談して苦節1年半、先週完成したのが、この「流水」茶箱です。
#この茶箱が完成するまでの超越絶後の紆余曲折話は別途書きたいと思います
最初のお席には塗師の後藤さん(偶然同性)もいらしてくださって、貴重なお話を伺うことができました。
鉢風炉の中に収まっているのは、モンベルで購入したジェットボイル。
急遽野点席から持ち込みました。
極寒の森吉山で、このジェットボイルで急速にお湯を沸かしあたたかいカップヌードルをすすっている山男の姿が羨ましすぎて、遂にこの機会に手に入れました。
怪我の功名、なかなか野趣溢れる趣向になったのでは。。。
そして、こちらが野点のお菓子、ツクシです。
北鎌倉で摘んだツクシを砂糖で煮込みました。
柑橘類の皮のお菓子を作るイメージ、と言えば理解していただけるでしょうか。ほんのりホロ苦い春の味がして私は大好きです。
こちらも先生からの直伝。ツクシ摘みには、松原さんや後藤さんの奥様、子供たちにも協力していただきました。
菓子器は、後藤さんのおじい様が作成されたもの。柏の銘々皿です。
こんな型が残っています。
肝心のお点前(「花」)の写真が全く私の手元にないので、お客様を捜索して見つかり次第アップしたいと思います。
野点席(移設)の他に、花月風の花遊び、オプションの一畳台目の夢想庵での濃茶席がありますので、こちらは #2 で。
敷物もチクチク作ったのに!( ; ; )