Snowflakes

お茶会日記

ひとひらの雪は手にのると、水になって消えてしまう。はかないけれどその美しさは格別です。
ささやかに燃え尽きるようないのちの灯火、そんな大切なお茶の時間を過ごしていきたいと思っています。
The snow on the palm disappears immediately after becoming water.Although it is ephemeral, its beauty is amazing.
I hope to spend hours of such precious Chanoyu, as a light of life as burned out in modest way.

北鎌倉:ニコニコ鬼茶会 #1

ご報告遅くなりましたが、久々にお茶会のご報告。

去る令和2年2月2日の日曜日、北鎌倉の宝庵にてニコニコニコ茶会を開催しました。

もちろん豆まきもやりましたよ!

f:id:yumi-kuroda:20200216041947j:image

 

いつも前説が長くなり、道具組までなかなか行き着かないので、今回は各席の紹介からサクサクと。

 

待合兼煎茶席は、織田流の南窓さん。

f:id:yumi-kuroda:20200216042449j:image

f:id:yumi-kuroda:20200216042542j:image

短冊は織田流煎茶道お家元が、お茶名引き渡しの際に必ず書かれるという「心」

花は椿、利休草。基本ですね。花器は二階堂明宏さんとのこと。

お湯は生姜湯をお出ししました。

本日のお客様は限定二人。

去年暑い暑い水屋で献身的な働きをしてくださった社中のソフィーさんと、南窓さんの同門織田流の清野さんです。

席に余裕があるので、今回は空いてるスタッフも同席させていただく内輪のほっこり茶会。

 

最初のお点前は玉露

f:id:yumi-kuroda:20200216043108j:image

おっと、結界は愉快な「河童」が描かれていました。本日の裏テーマは「鬼」でもあるので、ほぼ打合せなしでこのシンクロ具合は幸先良いです。子才林さん作。

 

f:id:yumi-kuroda:20200216135851j:image

 

f:id:yumi-kuroda:20200216044003j:image

干菓子は鶴屋吉信で梅と鶯。

 

f:id:yumi-kuroda:20200216044136j:image

f:id:yumi-kuroda:20200216044231j:image

集中する南窓さん。

今回、玉露で印象的だったのは、湯の温度が低いので抽出時間が長く、茶のエキスが十分浸み出すまで亭主はジッと待つ姿です。

声がかけられない雰囲気。

後から聞くと、時間を計っているとのこと。なるほどー

f:id:yumi-kuroda:20200216044917j:image

煎茶道に使われる湯呑みはもともと小さくみるみる冷めてしまうので、そこも気を遣うとのこと。

一煎目は三口ほど、二煎目もほんの一口。

まさにお茶のエッセンス、「気」という感じで清々しい。

開いたお茶っぱは、そのままいただくこともできます。みんなでモグモグ。玉露は京都柳桜園 鳳凰だそうです。

お茶名持ってらっしゃる清野さんも解説くださりいつのまにか半東さんの役割。

こういうのも客と亭主側の境界が曖昧で面白かったです。

f:id:yumi-kuroda:20200216050606j:image

 

そして八畳で炭点前。宗雪が務めます。

f:id:yumi-kuroda:20200216051009j:image

f:id:yumi-kuroda:20200216051059j:image

今回、お軸は大徳寺の大亀御老師の「春風」

大徳寺の御老師の元で修行された私の先生に「何かハッピーな気持ちになるものを」と無理くりのお題を投げ、お借りした目玉です。

「横がけの春風どうかしらん

後日々是好日 とか一花開五葉
季節物でしたら
春来草自生  」

と複数選択をいただいていたにもかかわらず、私がLINEを全く見ていなかったので強制的に春風が召喚された次第。笑

でもここ常安軒の床は大きくて間が持たないので、横がけは本当に助かりました。

花は梅を、と思っていたので朝7時に鎌倉駅前のレンバイに行ったのですが、あいにく今日は販売されていず、少し早いですが桃の花を。

f:id:yumi-kuroda:20200216052231j:image

f:id:yumi-kuroda:20200216052459j:image

桃の花は、梅と違って枝がまっすぐなのでなかなか決まらないと、苦労しながら江戸千家の雪介さんが活けてくださいました。左はマンサク。

軸の「春風」にはかえって早目の桃の花が合っていたのかも。

考えてみれば、香合も津田友子さんの「孫悟空」だったので、春風を受けて進む悟空が現出して万万歳でした。

煎茶席の河童にも期せずして合っていたか。お茶のこういうブリコラージュ感というかよく言えば「臨機応変」でその結果不思議なケミストリーが生まれるのも好きです。

 

f:id:yumi-kuroda:20200216055439j:image

右はついでのぐい呑。サイズ感がわかるでしょうか。

私がお点前だったので残念ながら写真はありません。

炭は最後にはこんな感じに!

f:id:yumi-kuroda:20200216055635j:image

f:id:yumi-kuroda:20200216060002j:image

暖をとる図。笑 寒かったからね。

 

ということで、濃茶の#2 に続きます。