Snowflakes

お茶会日記

ひとひらの雪は手にのると、水になって消えてしまう。はかないけれどその美しさは格別です。
ささやかに燃え尽きるようないのちの灯火、そんな大切なお茶の時間を過ごしていきたいと思っています。
The snow on the palm disappears immediately after becoming water.Although it is ephemeral, its beauty is amazing.
I hope to spend hours of such precious Chanoyu, as a light of life as burned out in modest way.

北鎌倉・七夕茶会 #1

いやー 世界は一変してしまいました。

前々回の秋のジャングル茶会は「史上最強」と言われた台風19号の野分あとで「シンゴジか?日本はホントに災害が多いなぁ」といま思えば呑気なことを言っていました。

まさかカミュが『ペスト』を書いた、そんな時代に逆行するような世界規模の災厄が訪れようとは!

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2月の節分茶会で「鬼は外」をやったご利益は無かったのか。(福は内、しかやってなかったからか?)

あの頃はまだまさか多摩川を越えることもできなくなるとは、思っていなかったなぁ。ステイホームで会社にも行けず、リモートワークが4月からずっと続いています。春の野遊び茶会も中止。お茶なんてミツの極致だし。裏千家宗匠の「一碗からピースフルネス」の回し飲みなんてもってのほか。宝庵の一畳台目の夢窓庵はお客様3人でいっぱいになっちゃうし。。

しかし、そんな中、2020年7月5日、北鎌倉・宝庵にて2回目の七夕茶会を行いました。

お客様は身内のみ。サンミツの濃茶席、点心席はなし。いちばん広い八畳間で、お客様は3名様まで。織田流煎茶を前座、裏千家薄茶を後座とする2席のみ。亭主も客もマスク着用。

 

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こんな中、北鎌倉までお運びくださったみなさま、本当にありがとうございました。

お客様は、午前中はなんと私の長年の師匠と社中、そして宝庵で表千家さんをお稽古している方の3名さまです。

当日は心配していた嵐でもなく、薄曇り。

前泊した由比ヶ浜には、サーファーが早朝より出ていました。

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由比ヶ浜で、茶花をゲットしたのですが、その話はこちらのnoteで。

 

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煎茶席は、このお茶会シリーズを最初からいっしょにやっている織田流の南窓さんに加え、節分茶会でお客様としていらしてくださった同門の南陽さんにお願いしました。(織田流では茶名に「南」を入れるらしい。南の窓から陽光、とはなんともポジティブな組合せ)

 

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準備風景。ハカマっぽい裾除けが萌え♪

大正ロマンだわー

 

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お軸は、南陽さんのご両親が中国は蘇州の寒山寺を訪問した時に求めたという「日日是好日

「日」の字が象形文字っぽくて良い。

お父様は禅寺のご住職。

嵐だろうが晴れだろうがその日を精一杯生きよ、という「日日是好日

心に沁みます。

床の花生けは、なんと南窓さんが合羽橋で昔スシパーティのために求めたという寿司皿。

硯みたいでかっこいいですよね!

七夕の短冊を書いていただく趣向なので、巨大硯はまさに時のもの。

こちらに、私が由比ヶ浜から浄智寺まで、道々採取して来たさまざまな紫陽花を投げ込む。

浄智寺の向かいの明月院アジサイ寺として有名ですが、今の季節、紫陽花はそこかしこに咲いています。(浄智寺敷地内の紫陽花は、宝庵会員として許可いただいて採取しています)

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そして、七夕といえば短冊!短冊といえば竹!

この竹も、浄智寺の敷地内で探して来たものです。

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「日々是好日」の「日」がまるで太陽のようで、笹の向こうに昇っています。

この笹竹探訪記もnoteで書きましたので、そちらで。

 

note.com 

今回、2席のみで、前座を織田流煎茶(長島南窓、清野南陽)で「陽」、後座を裏千家薄茶(黒田宗雪)で「陰」とし、それぞれ七夕の昼と夜を表す趣向としています。

 

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以下、煎茶席会記となります。

 

亭主:長島南窓、清野南陽

客 :三輪宗文、久保田好子、繰入純

   松川三夏、中西幹

急須・台 水野博司 藻掛け急須(常滑
茶碗 えむに 粉雪(福井)
茶托 錫小判(大阪)
茶筒 米沢研吾(秋田・角館)
茶合 竹
茶巾入れ、蓋置セット 青磁
結界 竹(織田流家元所蔵)
仕込み盆 中野知昭 丸折敷(鯖江
運び盆 中野知昭(鯖江
菓子器 えむに Flow(福井)
菓子    老松
涼炉 北村和善 白泥(京都)
ボーフラ 白泥京焼き 長島
水注・台 若杉集(益子)
掛け軸 日日是好日 清野 蘇州 寒山
花器 黒板皿
花 紫陽花

 

#2に続きます!

 

yumi-kuroda.hateblo.jp