Snowflakes

お茶会日記

ひとひらの雪は手にのると、水になって消えてしまう。はかないけれどその美しさは格別です。
ささやかに燃え尽きるようないのちの灯火、そんな大切なお茶の時間を過ごしていきたいと思っています。
The snow on the palm disappears immediately after becoming water.Although it is ephemeral, its beauty is amazing.
I hope to spend hours of such precious Chanoyu, as a light of life as burned out in modest way.

北鎌倉・ジャングル月見茶会3 #1

2020年は大変な年でした。開けて2021年の初釜の中止が三千家で決まったとのニュースも流れました。北鎌倉・宝庵で春夏秋冬の年に4回催しているお茶会も、春は中止、夏秋は8畳間に5名のみの縮小開催となりました。そして私は4月より完全リモートワークとなり、オンライン会議に追われる日々を送っています。秋のジャングル月見茶会(今年で3回目!)も開催はしたものの、記録を残す余裕が全くなく、あっという間に年の瀬、そして開けて丑年。週明けに仕事が始まる前に、楽しかった秋の一日を記しておこうと思います。

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10月25日(日)、秋晴れです。前泊した由比ヶ浜から鎌倉駅まで歩く朝。この134号線から若宮大路に入り鶴岡八幡宮まで至る海沿いの道がとても好きです。着替えてボードを担いで海に向かうサーファーたち、ジョギングする男女、犬を連れた散歩する人たち、穏やかな日常は続いてるんだなあ、とうれしくなります。

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いつもは途中のレンバイで花と野菜を見て行くのですが、今回は点心も中止、中のお店もまだ大半が準備中のようだったので、スタバでコーヒーを買って江ノ電バス明月院前へ。

浄智寺横のゆるい坂道をイチョウやモミジの落ち葉を拾い拾い上って行きます。お客様にあらかじめ秋の歌を何か考えて来てもらい、席で書いていただいた短冊を色紙に仕立てるという趣向。

昨年好評だったので、今年も踏襲することにしました。落ち葉は色紙の合間合間に散らします。

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待合のお湯は、2週間前のお掃除会の時に庭で摘んだ金木犀の花をシロップ漬けにしたもの。

当日はすっかり散ってしまっていたので、準備していて良かったです。詳しくはnoteに書いたので下記のURLからどうぞ。

https://note.com/klara/n/nc319c0eb2be5

 

気がかりだった八畳間の床の花は、雪介さんが近くの山で早朝に取って来てくれてました。良かったー

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宝庵の常安軒の八畳間の床は広いので、存在感がないと空間が持たず、いつも苦労させられます。

ススキひと抱えを奥に立てて置き、手前に後藤久慶さん作の横に尺のある竹の花入れ。

秋の野の花を一輪ずつ入れていきます。ツワブキ、アザミ、ホトトギス。。雪介さんに入れていただいた花がうまく決まりました。

一席目は清野南陽さん、長島南窓さんの織田流煎茶。結界としてザックリと笹を枝ごと置いてみました。笹の枝は、南窓さんが「何かに使えると思って途中で竹を刈ってる人にもらって来た」とのこと。そういうアジャイルな感じがお茶っぽくて良いよなー

思いっきり「ジャングル茶会」らしい設えになり大満足。

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そして煎茶席のお軸は、南陽さんお持ちの酒井大岳さんの「 ゆく道に花あり灯あり」

2020年に亡くなられた曹洞宗の禅僧ですが、南陽さんのご実家がやはり曹洞宗のお寺なのでご縁があったとのこと。

ゆく道に花があって灯に照らされてほしいものです。

 

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床も整い、いよいよお客様をお迎えします。

午前、午後と5名様ずつ、煎茶席と薄茶席で中立ちをはさんで八畳間で軸と花を入れ替える予定。

織田流の御家元と社中の方々を迎えるので緊張しつつ。。

続きは後ほど。

 

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